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死神

死神


長く、長く眠っていたような気がする。
ふと、目を覚ました枕もとには、死んだはずの旦那が座っていた。
「どうしたの…?」
「迎えに来たよ。」
「迎えって?」
「もう、あの世に行くころだよ。」
「あの世?私、死ぬの?」
「あぁ、もうすぐね。」

「でも、まだ、いけないわ。息子たちのことが気になる…。」
「そうか…。気が済むまで待っているよ。」
「あの子たち、大丈夫かしら?」
「…。」

そう言って、再び眠りについた。


どのくらい時間が経っただろうか?


再び目を覚ました。

「行くわ。」
「決心ついたんだね。」
「えぇ、夢を見ていたの。」
「どんな?」
「私が死神になって息子達を迎えに行く夢。おかしいのよ。二人とも同じことを言ったわ。やっぱり、兄弟ね。」
「なんて言ったの。」

「僕たち、お母さんが死ぬときずっと一緒にいて待ってたけど、喧嘩しなかったからねって。」
「子供のころから仲良かったからな。」
「うん。だから、安心したの。今度はあの世であなたと一緒に子供たちを待って居ようって。」
「そうだな。じゃ、行こうか…。」


こうして、ネフローゼ症候群を患った母は、旅立ちました。

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